名古屋大学は、プラズマを用いた新しいGaN結晶成長法を開発しました。この方法により、有害なアンモニアを使用せずに低温で高速成長が可能となります。
次世代のパワーデバイス材料として期待されるGaNは、通常MOCVDによって結晶成長が行われます。MOCVDは大量の有毒なアンモニアガスを必要とし、1150℃以上の高温で動作するため、高品質かつ低コストの生産を実現するには課題があり、GaNデバイスの実用化を妨げていました。
研究グループは今回、低温プラズマと窒素/水素ラジカルを利用した「ラジカル支援メタルオーガニック化学気相成長法」という新しい結晶成長法を開発しました。この方法はアンモニアガスを使用しないだけでなく、MOCVDに比べて低温の約800℃でGaN結晶の高速成長を可能にします。この革新により、低コストかつ高品質なGaNデバイスの実現が期待され、実用化の加速に貢献すると考えられています。