世界半導体市場統計(WSTS)は、2026年春季予測を発表し、世界の半導体市場が前例のない拡大を遂げるとの見通しを示しました。報告によると、市場は前年比89.9%増と急伸し、2026年には1.511兆米ドルという驚異的な規模に達する見込みです。この数値は、前回予測の約9755億米ドルから大幅に上方修正されたもので、主に大手IT企業による積極的なデータセンター投資が押し上げ要因となっています。
この歴史的な成長の主な原動力は、人工知能サーバーに対する爆発的な需要です。メモリチップ市場は、従来の3.5倍にまで急拡大し、2026年だけで8039億米ドルに達すると予測されています。一方、GPU(グラフィックス処理装置)を含むロジックチップ分野は、37.3%増の4114億米ドルに成長する見通しです。さらに、汎用サーバー向けのMPU(マイクロプロセッサーユニット)も、この上昇基調にプラスに寄与しています。産業用途には回復の兆しが見られる一方で、スマートフォンなどの民生電子機器は依然として比較的低調です。
2027年に目を向けると、この勢いはさらに続き、26.6%増で市場全体は1.914兆米ドルに達すると見込まれています。メモリ市場は初めて1兆米ドルの大台を突破し、1.062兆米ドルに到達する見通しで、ロジックチップは5228億米ドルまで伸びると予測されています。ただし、長期的なインフレやくすぶる地政学リスクがこの猛烈な成長軌道の下振れ要因となる可能性もあり、業界は依然として慎重姿勢を崩していません。