東芝は、酸化銅(I)を組み込んだタンデム太陽電池を用いて、変換効率26.6%を達成し、太陽光発電技術において大きな節目を迎えました。酸化銅(I)は、バンドギャップが2.17電子ボルトと広いため、トップセルに非常に有望な材料です。この広いバンドギャップにより、より短い波長の光を効率的に吸収し、残りのスペクトルをボトムセルに回すことができます。最終的な商用目標である30%の効率に到達するには、研究者らは、トップセルが12〜13%の効率、ボトムセルが17〜18%の効率を達成する必要があると見積もっています。
この開発における大きな技術課題は、多層膜構造内で界面反射が増加したことでした。詳細なシミュレーションを通じて、東芝のエンジニアは、この高い反射は元のn型層の屈折率が低いことに起因していることを突き止めました。この問題に対処するため、高い屈折率で知られる二酸化チタンをn型層に導入しました。この革新的な調整により、約500ナノメートルの波長域における光反射を効果的に低減することに成功しました。その結果、東芝は、コアとなる発電特性を維持しながら、トップセルで高効率と高透過率を同時に実現できることを示しました。この画期的な成果により、電気自動車や建物の外装への、柔軟で高効率な太陽光発電の統合に新たな可能性が開かれました。