電気自動車用駆動用バッテリーの世界市場は、今後20年間で大幅な拡大が見込まれています。富士経済による最新の戦略分析によると、市場規模は2025年の推定19.99兆円から、2040年には約47.08兆円へ成長すると予測されています。この推移は、電動化された交通への移行が加速していることと、高度なエネルギー貯蔵システムが果たす重要な役割を反映しています。
液系リチウムイオン電池は、この成長の主な牽引役であり続けています。2025年の液系リチウムイオン電池市場は19.40兆円に達する見込みで、前年度比10.9%増となります。2040年までには、この分野だけで43.40兆円へ拡大すると予測されています。これらの電池は、液体電解質を用いて正極と負極の間でリチウムイオンを移動させるもので、確立された製造規模とエネルギー密度の継続的な改良の恩恵を受け続けています。
次世代技術の分野でも、大きな変化が起きています。可燃性の液体電解質を固体イオン伝導体に置き換える全固体電池は、急速な実用化が進むと見込まれています。市場規模は2025年時点でわずか0.31兆円と推定されていますが、2040年には3.50兆円へ急拡大すると予測されています。全固体技術の採用は、安全性の向上、より速い充電速度、そして航続距離の延長をもたらすと期待されています。
市場動向は、正極材、負極材、特殊電解質を含む主要部材のコスト変動によっても左右されています。世界の自動車メーカーがバッテリー電気自動車やプラグインハイブリッド電気自動車の生産を拡大する中で、高性能な化学材料と持続可能なサプライチェーンへの需要はますます重要になっています。この長期予測は、世界の自動車および半導体関連材料産業における根本的な変革を示しています。